2018年9月号編集詳細

操業・運転改善への高度制御活用のすすめ

 かつてPID改良型や多変数モデル予測制御などに代表される高度制御技術がプラントに積極的に導入され,変動の大きいプロセスの安定化や外乱抑制などに効果を発揮してきました。 しかし,近年工場のIoT化やスマート化への関心が高まるなかで,“これからのプロセス制御の役割や位置付けは変わっていくのか,高度制御は不要になるのか”―そうした疑念も生じ始めています。この背景には熟練技術者の減少や業務体制の見直しが優先される経営管理の現状などが推察されますが,いずれにしても今後のプロセス制御,とりわけ高度制御のあり方を問い直す時期にあると考えます。
 そこでこの企画では,ディジタル情報革新時代を迎えた工場・プラントのこれからの高度制御(アドバンストコントロール)技術の進化と活用に視点を当てます。そして制御性の改善や省エネにとどまらず,運転員の負荷低減や収益改善,そして高度安定運転・安全操業にどう貢献していけるのか,新たな考え方や事例を通して展望します。

【フォーカス:注目技術】
●新制御技術による装置産業の収益革新 モデル・ベースト設計手法の石炭ボイラへの適用
………………………………………ADAPTEX 藤井 憲三
●生産工程の弾力性強化への生産支援システムの貢献
………………………………………技術コンサルタント 江口 元
●優れた制御性を長期間維持できる次世代の高度制御ソリューション
………………………………………横河電機 池谷祥宏
●蒸留塔制御への新しい波− Alpha Process Control(伊)の挑戦
………………………………………ProActs LLC 和田 哲也
●マイクロチャンネル冷却システムへのリセット制御の適用
………………………………………計装制御コンサルタント 岩井 正隆

スマート化への現場改善支援ツールの最適活用

 工場のスマート化とは何か,いかに実現していくのか―,製造業の各分野でこうしたテーマに対する模索・検討が始まっています。しかし,新旧の設備やシステムが混在した国内の現状にあって実現への道筋は平坦ではありません。そこで,まず現場の状況を把握し,どこに問題があるのか抽出して改善策を立てる,またデータ収集解析や早期異常検知と診断,ディジタル通信技術などを駆使して課題を解決していく,といった方策が考えられます。つまり,スマート化に向けて最初のステップとして現状での当面する実課題に着目し,その改善あるいはイノベーションをいかに効果的に進めていくか,そのことが目標としたスマート化へ近づくアプローチの一つになると言えましょう。
この企画では,そうした観点から現場ニーズに即応した改善支援ツールやソリューションに焦点を当てます。生産現場に根ざした課題に注目し,使い勝手の良さや導入のしやすさなど新しいアイデアや工夫により開発された製品の紹介とともに,最適な活用法を探って行きます。 

【ユーザレポート】
●製油所におけるフィールド計装改善への取り組みと評価
………………………………………JXTG エネルギー 迫田 典也
【Products/Solutions】
●配線レスで稼働監視を実現した操作パネル画像認識システム
………………………………………ソフィックス 大木 宏志
●PoEスイッチによる高信頼性屋外用IP監視ネットワークの構築法
………………………………………Moxa Jackey Hsueh
●カラーラインスキャンカメラ対応小型欠点検出装置−薄色・淡色の欠点検査に最適
………………………………………竹中システム機器 中野 慎也


特別記事
●CPPS(Cyber Physical Production System)とデータモデルとセキュリティ
………………………………………ICS研究所 村上 正志
《連載》
●スマートファクトリを目指して(第17回)
………………………………………ProActs LLC /和田哲也
《参考資料》
●JPCERT/CC インシデント報告対応レポート[2018 年4 月1 日〜 2018 年6 月30 日]
………………………………………JPCERT コーディネーションセンター