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〈技術解説/監視/運転支援/安全・環境〉【技術解説】CO2削減からみた原油予熱交換器の新しい監視手法とFS提案(下)1. はじめにCDU装置(原油常圧蒸留装置)での予熱交換器のファウリングによるエネルギーロスは大きく,どの国内製油所でも2年に1回の運転を停止してのクリーニングを行っているのが実[青である。前号(上)では,正しい熱交のファウリング(汚れ)指標として,熱量計算ソフト( EXCELアドイン関数HEAT)とそのアプリケーションである原油性状把握前処理ツールを活用し1, 2)'運転条件が変動しても正確な熱交汚れに関する指標(ファウリング指標;汚れ指標)を把握できる総括伝熱係数U値のノーマライズ手法による効果的なファウリング管理手法を紹介した。今回は,海外で事例のあるCDU装置の原油予熱交について,運転しながら清掃するオンラインクリーニングに関する効果的なFS(Feasibility Study)の実施方法について提案する。すなわち,HEATを活用したより正確なオンラインクリーニングのメリット計算手法,海外事例からの信頼性の高い提案および国内製油所オペレーション事情や薬品に関する知見・経験に基づく提案,熱交換器増設を行わない提案等がキーポイントとなる。2. CDU装置予熱交のファウリングの現状図1に示すのは,CDU装置原油予熱の熱交換器群の中の原油と重油(RC)の熱交換器のファウリング状況として,計算U値をグラフにしたものである。これを見ると2年間でU値が半分程度まで減少していることがわかる。U: KJ/m2Chr15001000500原油(Tube)/RC(Shell)A,82基0 60 120 180 240 300 360 ヽ20 4'0 540 600 660(日)図1原油/重油熱交ファウリング現状例2025 Vol.68 No.4Eテックコンサル本田達穂/車戸宏一般的に近年製油所では4~6年に1回の定期修理(Major SDM : Shut Down Maintenance)といった長期連続運転が導入されてきている。その期間の中で, 2年に1回は一時的な装置停止(マイナSDM:という)を行い,熱交換器等の機器の清掃等を行ってしヽる。そういった意味では現状は,2年に1回清掃(クリーニング)することで熱交の総括伝熱係数U値を回復させ省エネ(CO2削減)に貢献しているといってもよい。しかしながら本提案では,さらに熱交クリーニングの期間を短くして,すなわち運転中の2年間の中間で,熱交を切り替えながらクリーニングを行うことで,さらに省エネ(CO2削減)を実現しようとするものである。3.オンラインクリーニングの経済効果試算2年間の連続運転中に,仮に原油/重油の熱交で,オンラインクリーニングを実施したとしてどのくらいの経済効果があるものか,HEATを活用して試算してみた。図2は,2年間でオンラインクリーニングを1回行ったケース,および2回行ったケースのU値回復状況を示している。1回のオンラインクリーニングで95%までU値が回復するとしてU値回復曲線を描き, 2年間での各ケースの平均U値を求めた。ここで,前号(上)で紹介した原油の平均性状(TBP曲線:True Boiling Point Curve)をプロダクトからU; KJ/m2Chr15001000500クリーニングなしの遍続運転ケース1回クリーニング/(2年)のUu値減少の現状例----- ・2回クリーニング/(2年)のU..... ト....? ヽヽ. .、, .、I ‘?― ‘`'??:-.::-..-..0 60 120 180 240 300 360 420 480 540 600 660(日)オンラインクリーニングで、2年間の平均u値の増加平均u値483 1 回ケース608--2回ケース685図2オンラインクリーニングによるU値の回復度計算例27