2020年5月
スマート化する設備管理－予知保全はどこまで可能なのか（2）
プラント設備／機器の早期異常検知・診断技術を駆使した予知保全の実現－これは現場を預かる保全部門にとって長年のテーマでもあります。生産現場の少人化や熟練者の減少が進む昨今，その重要性や期待は一段と高まっていますが，その一方で予知保全が技法として確立し広く適用が進んでいるとは言い難い現状があります。 これは対象によって適応が難しかったり， データ不足や解析診断手法が不十分だったりするためで，デジタル化やIoTの進展とともに，改めて先進ICTなどを活用した設備管理のスマート化に関心が高まっています。
そこで本誌では， 昨年 7月号で実施した"スマート設備管理と予知保全"をテーマとした企画をシリーズ化し，これからの設備管理のスマート化の視点から予知保全の可能性にフォーカスして行きます。 プロセスデータをはじめ画像や音声， 作業員の経験情報， 気温などの環境データ， あるいは経営管理情報といった多様なデータ／情報を統合解析し，従来より高精度な予知保全技術の確立と安定・安全操業への展開―。本号ではシリーズ第 2 弾として， そうしたニーズの実現に向けて何が求められるのか， 現状での早期異常検知／予兆監視診断技術などの最新動向を交えて探るとともに，今後の課題や進展方向について考えます。
【ユーザの取り組み： 視点・論点】
●製紙工場における無線センサネットワークによる故障予兆検知
日本製紙 野添 進
●化学工場におけるフィールドデータに着目した新たな設備管理への取り組み
三菱ケミカル 栁澤 真之
【ソリューション： 予知保全へのアプローチ】
●産業用IoT向け無線ソリューションを用いた予兆保全へのアプローチ
横河電機 矢吹 香織
●予知保全に貢献するAIを活用した振動診断システム
三菱電機エンジニアリング 西田 博幸
●防爆対応無線振動センサによる予知保全システムの高度化
GEエナジー・ジャパン 井出 翔太
●生産設備トラブルを回避する蒸気ユーティリティモニタリング
テイエルブイインターナショナル 三宮 佳幸
●安定操業への予兆センサシステムを活用した予知保全
豊中計装 田路 秀行
●無線対応振動解析による設備管理と予知保全への展開
新川電機 大西 徹弥
操業革新への高度制御活用の考え方・進め方
【技術トレンド】
●AI分析計と超安定化制御は工程能力と収益を革新する
ADAPTEX 藤井 憲三
オフィス T.O.I 小川 泰雄
●転機を迎えた高度制御～簡易型モデル予測制御（PFC）のその後
技術コンサルタント 江口 元
【ユーザの取り組み： 視点・論点】
●石油化学プラントにおける高度制御の導入～その狙いと考え方～
丸善石油化学 畠山 和憲
【高度制御ソリューション】
●多種多様な装置における高度制御実現のためのアジャイルな導入
日本ハネウェル 瀬戸 邦彦
●効果的かつ効率的に制御性を維持できる高度制御ソリューション
横河電機 大塚 英悟
●最新高度制御（APC）ソフトウェアアプリケーション
アスペンテックジャパン 高里 耕治
【連載】∥視点・論点∥－AIは計装に適応するのか－
●第3回 計装分野でAIにより収益を生み出すビジネスモデルはあるか
キーワード 酒井 孝正
【連載】長期安定操業への新たな実践的データ活用法～ヒートバランスと新ソフトセンサ～
●第4回 蒸留塔トレイファウリングと塔熱効率を表すソフトセンサ
Eテックコンサル 本田 達穂
《参考資料》
●「2020 年度屋内位置情報ソリューション国内市場調査」
矢野経済研究所調査レポートより
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